野菜プロジェクト
沖縄・伊江島から、被災地仙台へ野菜を送ることで人と人を繋ぐプロジェクトです。
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メッセージ(2014)(5)鳥山淳


 2011年3月11日、原発の「全電源喪失」の一報から始まり、事態の悪化を伝えるニュースに接しているうちに、以前に味わった思いが芽生えてくるのを感じました。それは、「いつ起こっても不思議ではなかったのに、ほんとうに起こるなんて考えていなかった」という、驚愕と自責の念が入り交じった思いです。それを自分のなかに感じたとき、「あのときと同じだ」と思いました。「あのとき」というのは2004年8月13日のことで、米軍ヘリが普天間基地に隣接する大学の構内に墜落・炎上したとき、たまたま現場近くにいたわたしは、墜落の数分後から、立ち上る炎と煙や消火作業の様子を呆然と眺めていました。それが実際に起こったのだと信じられるようになるまでに一定の時間を要しましたが、その次に到来したのが、「ほんとうに起こるなんて考えていなかった」という思いでした。

 それを味わった経験があるにもかかわらず、そして原発の危険性について多少の知識はもっていたにもかかわらず、また同じことを繰り返してしまったわけです。そのため、わたしの中では、二つの出来事は切り離すことができないものとして、存在しています。そして、切り離さずに向き合うことの、途方もない難しさも、この3年あまりの間に感じています。あまりの難しさに、しばしば思考停止に陥ってしまうのですが、かろうじて思考放棄を思いとどまらせてくれているのが、「はなつちの会」なのかもしれません。

 当たり前のように沖縄の基地を維持しようとする政治や社会は、平然と人権や尊厳を踏みにじり続けるものなのであって、それはけっして「沖縄問題」ではないということを、いま多くの人たちが感じ取っているのではないかと想像します。その感覚を言葉にしていくためにも、「はなつち」という場に関わり続けたいと思っています。


鳥山淳