メッセージ(2014)(2)原田明子
「てとてと」はたくさんの方々からのご支援をいただいて2011年11月に設立し活動している、市民と農家による宮城県南部の小さな「町の放射線測定室」です。
依頼者の方々が持ち込まれた食品、土などの測定の他に、生活や農業環境の調査も行い始めました。毎週土曜日には測定結果を表示した野菜などの産直市も開いています。
その産直市の名前は「てと市」。
測定済みの新鮮な有機無農薬野菜と並んで、「はなつちの会」からカンパとしていただいた伊江島の黒糖、全粒粉などが並んでいます。京都で集められたお金で、沖縄伊江島の農産物が「てと市」で販売され、東北に住んでいる私たちの元に届きます。
ひとくちに黒糖と言っても、いろんな味があることがわかりました。ちょっと塩気があるのですね。
疲れているときに食べると体に染み込む美味しさです。
小麦は東北でもたくさん栽培されていますが、原発事故のあと、特に全粒粉は測定をしっかりやったほうがいいものになってしまいました。
主に京都で集められたカンパ金で、沖縄伊江島の特産の農産物が、東北に届くということ。
深い意味があるように思えます。
「てとてと」は、地域で役にたつ場所として「10年は続けよう」が合言葉になっています。チェルノブイリ事故の後、5年経過してから健康被害が出始めたデータがあるからこそ、測定を長く続けることの大切さを感じています。
事故後3年たち、測定件数も減ってきて、測定料金だけでは運営が厳しい現状、カンパはほんとうにありがたいです。しかも、このような京都、沖縄、宮城という、深い意味のある流れ・・・。
お互い、無理せず、出来る範囲でゆる〜く、なが〜く繋がっていただけたら幸いです。
原田明子(みんなの放射線測定室「てとてと」運営委員)